オレオレ詐欺、詐欺被害者を増やさないためには、通帳の売買が無くならないと無くなりません!!
振り込め詐欺(恐喝)事件などに他人名義の預金口座等が悪用されることから、その不正な利用を防止するため、「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」の一部が改正され、預貯金通帳を譲り受ける行為について罰則が設けられました。（平成16年12月31日から施行）
今回の改正により
�� 　他人になりすまして口座を利用する目的で行われる預貯金通帳・キャッシュカードなどの譲り受け等、及び相手方にその目的があることを知った上で行われる譲り渡し等。
�� 　正当な理由なく、有償により行われる預貯金通帳・キャッシュカードなどの譲り受け及び譲り渡し等。
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　�´△旅坩戮鬚垢襪茲Α⊃佑魎�誘・誘引する行為（※）。
が、処罰の対象となります。（50万円以下の罰金）また、
�� 　いわゆる「口座屋」など、業として�´△鮃圓�行為は、より重く処罰されます。
(2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はその両方)
　(※)インターネット上などで預貯金通帳・キャッシュカードなどの売買を広告することも違法となります。
通帳の売買がいかなる犯罪にあたるかですが、
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  まず。売る目的で通帳を「新規作成」する場合ですが、これは少し長い名前の法律ですが「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律」、いわゆる「本人確認法」の第16条の2第2項に反し、50万円以下の罰金に処せられます。
また、古い通帳の売買を業として行った場合（「業として」というのは、反復継続してという程度の意味です。）には、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金となります(同条の2第3項)。
ちなみに、「本人確認法」は、現在廃止されており、現在は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が古い通帳の売買を禁止しています。条文の内容そのものは、ほぼ変わりありません。なので、今後、古い通帳の売買をした場合は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」第26条2項または3項違反ということになります。
   
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  「新規通帳」を買う側ですが、これは、具体的な事情により成立する犯罪が変わるので、場面設定なしでお答えするのがなかなか難しいのですが、例えば、上下関係にある者(暴力団の組長さんとその構成員の関係)のうち、上の者が下の者に「第三者に売るための通帳を作ってこい。」と指令を出し、指令を受けた側が通帳を作った場合は、通帳を発行した銀行さんを被害者とする詐欺罪の共同正犯(正確には、共謀共同正犯といいますが。)となります。10年以下の懲役刑に処せられます。
他方、通帳の作成について、上記のような指示がなく、売買のために作られた通帳であることを認識しつつ、それを買ったという場合は、刑法256条2項の「盗品等有償譲受罪」となります。法定刑は10年以下の懲役及び50万円以下の罰金です。この法律は懲役刑と罰金の両方が課されるというのがポイントです。(「及び」となっているので。)

次に、古い通帳などの場合ですが、この場合は、本人確認法16条の2第1項又は、犯罪による収益の移転防止に関する法律第26条1項違反となります(これは、犯罪がなされた、つまり、通帳が売買された時期により、適用となる法律の名前が変わるというだけです。)そして、業としていれば、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、業としていなければ、50万円以下の罰金となります。
 
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  「新規通帳」の売買の橋渡し、斡旋をした場合は、刑法256条2項の「盗品等有償処分あっせん罪」が成立し、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金となります。
他方、古い通帳については、本人確認法16条2第1項又は、犯罪による収益移転防止に関する法律第26条1項違反となります。

最近は、オレオレ詐欺に対して、裁判所も検察庁も厳しい取り扱いをしています。
そのため、そのもとになる通帳の売買についても、何らかの犯罪が成立してしまいます。
そして、オレオレ詐欺がどうして他の人の名義の通帳を欲しがるのかというと、オレオレ詐欺の実行犯はそのより上層部の人たちが逮捕されることを防止するためです。つまり、通帳を売っている人たちは、鉄砲玉といいますか、トカゲのしっぽのように、簡単にリスクだけを負わされてしまうということなのです。
通帳の売買という行為が犯罪にあたり、また、それにより自分が受ける不利益がいかに大きいものであるかということを、皆さんにご理解いただければと切に願います。